
静かな朝。
風が止まり、水面が鏡のように広がっている。
そこには、もうひとつの空が映っていた。
けれどそれは、ただの“映し”ではなく、
この世界と対をなす“心の空”のように思えた。
光と影がゆるやかに揺れ、
そこにひとすじの風が通り抜ける。
まるで、天と地のあいだにある「想い」が
やさしく呼吸しているようだった。
女神たちは、その水面に手をかざし、
小さな光の粒を散らす。
それは祈りであり、記憶であり、
これから生まれるいのちの“約束”でもある。
――「上にあるものは、下にもある」――
その古い言葉が胸に響く。
人の心もまた、世界を映す水面。
怒りも悲しみも、いっときの波紋。
やがて静まれば、再び空が映る。
だから、何かに乱されたときは、
ただ一度、深呼吸をしてみよう。
風が止まり、水が澄むその瞬間、
あなたの中の空が見えてくる。
それが本当のあなたの空。
そして、女神たちが見つめている空でもある。
🕊️ 結びの言葉
水面に映る空は、心が澄んだ証。
どんな時も、あなたの内側には
「もうひとつの空」が、静かに広がっている。